立山の思い出 室堂待機

雨は激しさを増すばかりです。
通行止めの解除の見通しは立ちません。雨が止んでからしばらく経過しないと通行止めは解除になりません。その場合には、何とか子どもたちを帰す算段を付けるため、ケーブルカーを降りてからのバスの手配を始めました。
とにかく、室堂へ向かい、何とか登れる状態になることを期待します。雲抜けといって、低層の雲の場合には、山頂部は全く問題なく晴れていることがあります。むしろ、そんなときにはちりひとつなく晴れていることもあるそうです。しかし、携帯サイトで雨雲レーダーを確認すると、日本海を渡ってきた湿った空気が立山連峰にあたって次々と雨雲になっている様子です。
室堂ターミナルには、予定通りに時刻に到着。子どもたちの準備はしっかりと済んでいます。昨日一日の活動と高度順応、活動後の整理運動の成果で、体調は良好。いつでもアタックできるのですが、ターミナルに入ることでさえずぶ濡れになるような雨。周辺の山小屋からも次々にターミナルに人がやってきます。登山をあきらめて、次の目的地へ移動したり、帰宅の途についた人たちです。いずれも、頭から足の先まで濡れていないところはないほどに濡れています。
ターミナルの待合室で様子を見ます。山の天気は受け入れなくてはなりません。無理は命を削ります。

激しく変化する山の気候に打ちのめされながらも、その激しさを学んでいます。
佐伯高男さんという有名な登山ガイドさんに会いました。佐伯さんも学校登山のガイドを引き受けておられたようですが、今日は、キャンセルだそうです。
いよいよ進退窮まってきました。それでも、山を歩きたい。そのために、準備をしてきました。しかし、危険は避けなくてはならない。もどかしい、山の時間が過ぎます。