立山登山の思い出 大観台

美女平からは火砕流台地の高原をバスが走ります。
美女平付近の立山杉がじきにブナなどが混じった樹林帯に変わっていきます。立山の魅力はこの森にもありますね。ときどきに、巨大な杉が現れて、バスの中からでもその偉容を感じます。
この台地にも全部登山道がつながっていて、昔の立山禅定道を歩くことができます。自然保護のため、木道などの専用道が作られており、その気になれば、黒部ダムから山を越えて、立山駅まで歩くことができます。植生の変化が大きく、もっともっと注目されていいトレールだと思います。
ブナ平から少し上がると、滝見台に出ます。バスの中から称名滝を眺められる場所として多くの人がご存じの場所ですね。この日は、何とか全容が見えそうです。
実は、子どもたちは、もうひとつの滝の名スポットを訪ねます。
富山県の小学生が健康な体作りをすすめる「みんなでチャレンジ3015」は、この立山禅定道をもとに作られ、始点の千寿が原の立山駅、美女平、大観台、弥陀ヶ原、室堂平、一ノ越、大汝(立山)と辿っていきます。この大観台というのは、知っていても実際に行ったことのある人は少ないと思います。
大観台は、昭和天皇立山を訪ねられた際に、称名滝がよく見える展望台として整備された場所です。下からは見えない滝の落ち口がよく見え、火砕流台地をV字に削りながら称名滝が形成されていった様子をよく観察することができます。

これがそこから見た称名滝です。こういうの見たことありますよね。よく宣伝に使われています。ここからの撮影なんです。雪解けや雨の日には、となりにハンノキ滝が流れます。*1
いよいよ、立山の奥深くに入ってきた印象が強く残りました。
大観台には、ネズコの木がありました。黒檜と書いて、ネズコ、クロベとも読みます。*2黒部川の語源になったとも言われるこのあたりを代表する樹木です。手前にくっきりと写っているのが、どうもネズコです。この場所は、常願寺川の水域ですが、雄山の向こうは黒部川。山ってそういうものなんですね。

*1:2日目の大雨でハンノキ滝が出現しました。

*2:オニグルミをクロベと呼ぶこともあります