立山の思い出 室堂平後半

室堂山荘からみどりが池方面に移動し始めると、称名川の源流、雷鳥沢方面からの吹き上げがきつくなってきました。体感温度はもはや冬。涼しいとか、冷たいではなく、寒く感じてきます。みくりが池に進むこのハイマツ帯は、室堂平の中でももっともライチョウの生息が多く、目撃も多い場所です。
そう思っていたら、みどりが池の少し手前でライチョウを発見。やはり、親子ですね。
風の中に硫黄臭が混じってきました。地獄谷からの吹き上げの風ですね。すぐ、右手には、いくつかの池塘が見えます。水が赤く見えることから、血の池地獄と呼ばれている場所です。立山は、地獄と浄土が連続するんですね。みくりが池への分岐点を右に曲がると、閻魔台です。地獄谷は見下ろせる閻魔台は、地獄の所業を見極める閻魔様がいらっしゃる場所なんでしょうね。反対を向くと山崎カールの絶好の観察地ですが、今日は視界がなく、そのままみくりが池へ向かいました。
みくりが池は、一周650mの池ですが、火口湖です。立山火山の水蒸気爆発でできた池です。年中水がかれることはありません。
その名前の由来もいくつかあって、神様の食事を意味する「御厨」からきているという説や、あるお坊さんが三周回って(みくり)しずんでしまったという昔話も残っています。
Kくんが、水泳が上手なOくんに、「Oくんなら沈まないよな」などと話していましたが、水温が低く、まだ、雪が残っているくらいですから、泳ぐのはムリですね。また、遊泳はもちろん、大変危険なので立ち入りも禁止されています。
みくりが池に隣接するみくりが池温泉は、地獄谷からお湯をくみ上げていて、日本最高所にある温泉として知られていますが、ソフトクリームもおいしいのです。食べていこうかと促しましたが、とてもとてもソフトクリームという感じではありません。寒いのです。

池のほとりで、また、ライチョウに出会いました。今度は、つがいです。この時期のつがいのライチョウは、子育てにしくじったものだそうで、登山者の方がくわしく教えてくださいました。
かなり気温が低くなってきて、汗が冷えるのが心配です。休憩もそこそこに室堂ターミナルに引き返すことにしました。
ここから室堂ターミナルまでの道筋には、珍しいピンクのチングルマがあります。残念ながら、もう花が終わっていました。天狗平にも一箇所あるそうです。同じ種類だそうです。どうしてそれだけピンクなのかはまだよくわからないとのことでした。
ターミナルを間近にして、再びライチョウの親子連れに遭遇。天候がそうさせるんでしょうか、こんなにライチョウに会えることは滅多にないとガイドさんもお話しておられました。
天候は、どんどん悪化。少し雨も混じり始めました。
もう少し立山の勉強をするため、立山自然保護センターに入ります。