立山の思い出 夜の弥陀ヶ原

一日が終わって夜に移り変わっていく時間は、山では特別な時間になります。高度の関係で、水平線の向こう側に太陽が沈んでいく感じになるため、夜は地面に近いところから次第に天頂に上がっていきます。赤みを残した暗さがやがて青黒く変じて、大きな山々をシルエットに変えていきます。そうなると、山が急に自分に迫ってくるように感じます。
夕食のあと、少し雨が落ちていましたが、「こうもり」(ガイドの谷さんのことば)をさして弥陀ヶ原を歩きました。星が降るような場所なんですが、生憎雲は厚く、富山市あたりの街の灯りが突き刺さるように煌めいています。
ふだんは歩くことのできないバス道を歩きました。いろいろな音がまわりから聞こえてきます。水音、風のざわめき、何だか生き物の気配がありますね。昼間の様子とずいぶん違うものです。上着がないと寒いくらいですし。

画像は、木道の途中です。
何気なく歩きましたが、こんなところを夜歩くなんて、ガイドさんがいないとちょっとできない経験です。
うしろに見える弥陀ヶ原ホテルのお客さんが何ごとかと驚いていたようです。
立山荘に戻ると、雨は少し強さを増してきました。