立山の思い出(最終回) 立山カルデラ砂防博物館

立山カルデラ砂防博物館は、もうひとつの立山と呼ばれる立山火山の名残、大きなカルデラを紹介する博物館です。地球が生きている様子を間近に感じられる博物館として知られています。同時に、立山にまつわる文化や立山砂防工事についても紹介している博物館です。
展示はジオラマや資料展示のほか、映像資料なども多く、私たちのくらしと結びついた砂防、治山治水などについても学ぶことができます。
こちらには、吉田科学館で学芸員をしておられた飯田肇さんがおられ、特に、立山の雪や氷について研究しておられます。立山の雪渓の一部はどうやら氷河らしいと突き止めたのも、内蔵助雪渓が日本最古の雪渓らしいと調べたのも、飯田さんらのグループです。

3D画像で立山カルデラについて学習したあと、展示物を見て回りました。実物大のトロッコなども展示してあるんですよ。

ちょうど、雪崩の特別展示があって、雪崩体験をやっていました。
札幌の宮の森シャンツェ(そうです、札幌五輪で金銀銅のメダル独占を果たしたスキージャンプ台です)での大がかりな実験を一部再現しています。
雪の結晶はピンポン球でモデル化できるそうです、宮の森のランディングバーンに数万個のピンポン球を流し、雪崩の形などを実験しました。K点より少し下にいた人は、たかがピンポン球なのに足をすくわれて流されていく映像が印象的でした。ここでは、1万個のピンポン球を流しています。どこかの学校の子どもたちが体験中でした。
いよいよこの山旅も終わります。
カルデラ博物館の前で、ガイドさんとお別れです。
「いっしょに登りたかったね。また、どこかでいっしょに山歩きしようね」
やさしいことばに、この人と雄山を歩けたらどんなにステキだったかなと思いが広がります。
バスが、立山山麓を離れます。
山並みが遠く日常の距離に変わっていきます。
私たちの山の時間が終わりました。
それでも、あの山稜にすごした時間が、どこかに刻み込まれています。